指先に思考を、砂浜に逢う
ゆるこ

唐突に君を食べて吸収してしまいたいと感じた夏の終わり
蝉がじぃーじぃーと田舎を想って鳴いていた午後の話
グラスに入った海月型固形の気泡たちは
海に還りながらバラッドを口ずさんでいた(  空耳????)

終わらないしりとりだけしていたかった
時間の制限なんて要らなかった
鎖は言葉と食欲だけでよかった
奇跡なんて要らなかった(  よ ?)



ラシドの狭間に漂う滑稽な愛を語るコンドーム
その刹那に死んでしまった子供たちに向ける大人の愛を
ラジオに乗せる未完成の言葉と音
見間違えでなかったら、(  仄暗い海で、みんなで泣いていたね)

やさしい瞳で明日を、見てあげれたかな
やさしい瞳で昨日を、許せたかな
取り止めない無限ループで刻み付ける私は
きっと渇望している ( しこう の 不一致 を )







足早にビー玉が転がる
もう、指先で思考が停止/ほうかい?寸前だよ
乾いてしまったのは塩水で濡れた方かな 
それとも( この先は 未開拓地に なります故)

猫の目がやがて口元を緩ませて 洗濯機の中にみんなを押し込める
漂白された心がやがて 誰かの耳元で嘘を囁く
( それは たぶん 本当に )
きっと 心が 海になったんだね (     ね、   )






自由詩 指先に思考を、砂浜に逢う Copyright ゆるこ 2009-08-19 01:34:40
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