夏の爆弾/秋の煙
吉岡ペペロ

高台から海を眺めていると
海がとまっているように見えた

青い革の精緻な模様が
いっさいの動きをとめている

夏光のちからが
今日はすこし遠くに感じられた
陽射しがほどけはじめている

薄まった緑の香り

どこかで夏の爆弾が爆発したのだろう

音がした訳ではない

鼻をつんとなにかがはしった
秋の煙の匂いだ


自由詩 夏の爆弾/秋の煙 Copyright 吉岡ペペロ 2009-08-17 13:33:36
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