人の強さと美しさを知るとき
瑠王

夏は暑いけど
古い家屋の少し距離のある小陰や
蔦の覆った厳めしい医院が相応しいでしょ

冬は寒いけど
ひとりぼっちのスキーや
しんしんと鳴る空気が澄んでいるでしょ

それでも
やっぱり秋がいい

冬に向けて
死への支度をする

その姿はなんて
例えようもなく美しいんだろう

潔く、物静かな微笑みをもって
残される者の心を引っ張る

そうやって彼らは
いつも、死んでゆく



自由詩 人の強さと美しさを知るとき Copyright 瑠王 2009-08-14 02:02:56
notebook Home 戻る