三歳のおまえ
……とある蛙


おまえは自分でかわいらしいなどと思ってはいなかった。
まわりはかわいいという
しかし、おまえは自分が不細工と
信じていておどおどしていた。
幼稚園からの帰り道
手をつなぐ同級生がわずらわしいのか
上目遣いで僕をじっと見る

泣きたいのか笑いたいのか?
きっと泣きたいのだと思う
僕と二人きりならおまえは泣いたはず。
僕と手をつないでいたらきっと泣いたはず。
同い年のおばさんのような顔をした同級生を
おまえはきっとわずらわしかったに違いない。
絶対その子の話は家ではしない。
絶対その子の後を追いかけたりはしない。

ぁ〜それなのに我が娘は、
又あの同い年のおばさんに
見つけられて手をつながれてしまうのだ。
手をつながれ黙ったまま
おまえは上目遣いで私をじっと見る。

おばさんのような同級生に手をつながれたまま
おまえは苦しげな顔をして先生にさようならをする。
大声で
でもすぐに
ステレオタイプな表情と言葉しか言えない先生を無視して
助けを求めてくるのだ。


自由詩 三歳のおまえ Copyright ……とある蛙 2009-08-11 11:51:46
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