四隅でお洒落
中原 那由多

コーヒーのほろ苦さと
目薬の爽快感は
身体と一部となり呼吸する
デジタル時計に追い詰められて
日常生活とは何なのか、と
自問自答し仕事する


荒廃した感情を持ちながら
白昼夢に手を伸ばす
粉々、泥々、行き場を求めて彷徨って
小さな瓶の中
収まるわけなく溢れ出す


ボトルシップで大海原へ
後悔するなら今のうち
知らないものは腐るほどに浮かんでいて
右手左手一つずつ
掴めばみんな満足気


共感を求めて表現し
孤立するのもまた然り

優しい気持ちになりたくて
涙を流したことがある
強い人間になりたくて
怒りに身を任せたことがある

理解されないこの世は狭い
そう思う者もまた窮屈な匣の中に住んでいた



自由詩 四隅でお洒落 Copyright 中原 那由多 2009-08-04 13:21:11
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