向日葵が咲いていた
中原 那由多

入道雲の向こう側
確かめたくて走り出す
在りし日の思い出
途中から自転車に乗るようになり
ずっと遠くまで進んできた
一本道はまだまだ細くなってゆく


光を集めたビー玉
ころころと転がる先に
もう来る頃だね、微炭酸
揺らぐ小さな泡たちは
焦る気持ちに取って変わる


窓辺の君は白く
ふわりと風に吹かれては
ただ追いかけて諦める
震える指先と望みを表し
誰の為でもない愛想笑い
壁に溶け込みいなくなる


アスファルト上の蜃気楼
鼻歌と交じれば何を映す
眩しくないとよそ見して
知りたいものが分からない
蝉の咽びを聞いた後
儚さについて泣きたくなった




自由詩 向日葵が咲いていた Copyright 中原 那由多 2009-07-31 15:13:10
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