うみのものがたり
白糸雅樹

泡からうまれたヴィーナスは
実はまほうつかいのおばあさんだったので
大きなホタテ貝の上で
少女に脚を与えます
 
少女を好きだった生きものたちが
ヴィーナスをうらんだので
少女の恋はかないませんでした
 
大きなホタテ貝が
ぱくんと口を閉じて
ヴィーナスを閉じこめた時
美しい泡が天上へとのぼっていったのです

                    2009.5月? イダヅカマコト氏のワークショップにて



自由詩 うみのものがたり Copyright 白糸雅樹 2009-07-30 22:36:28縦
notebook Home 戻る  過去 未来