関係。「下敷きで光を」より
馬野ミキ

『みきくん、私たちの関係って一体なんなん?』



「関係に名前がなかったら、マユちゃんは人を愛することも出来へんの?」







実際あの頃はまだ若かった

幼稚園を出たばかりで足し算を習っていたし。



俺は休憩時間になるとクラスの女の子ほぼ全員とキスをして暮らした

同級の男たちはただの昭和の鼻水なので
中庭で野球をして喧嘩をしたり
算数の教科書にザクの絵を書いてたり
さびた釘を鉄塔の下に埋めに行って休憩時間内に学校に戻ってこれなくなったりしてた



ゴキブリを素手でつかんで女の子の背中に入れたちゃったりする本当の馬鹿のもーりーだけは
俺といっしょに女の子たちにキスを迫って、


校長のカツラの中からロッカーロームから天井裏まで

楽園でパンツ脱がせたり、


チャイムが鳴るまで破廉恥に回転し

追いかけ、

回した。





引き算を余裕でこなした冬がはじまるころ、「キスは風邪がうつるのでやめましょう」

                     というプリントが

学年で                          

                         配られ 

                              て、







 父と母が離婚を決め






   俺は母の故郷の 鳥取に、




                  転校し て







下敷きで光を-








3組の先生と生徒全員による、
もーりーに対するいじめがはじまった。


自由詩 関係。「下敷きで光を」より Copyright 馬野ミキ 2004-09-07 04:51:37
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