朝食
照留 セレン

鐘が鳴る
音が聞こえたら伸びをして
眩しさに慣れるまで俯いていた

顔をあげたら今朝も一人
ひっそりした台所で菜を刻む
ほうれん草は今日のいけにえ
日々繰り返される犠牲

ひょっとしたらひよこになったかもしれない卵を
フライパンでひっくり返して
黙とうは
星占いを聴きながら

冷蔵室のいきものを惣菜に
炊いた白いコメを食み
罪深さを恥じながらの黙とうのさなかテレビ受像機は
何処かの誰かの死を伝えていた


自由詩 朝食 Copyright 照留 セレン 2009-07-24 08:53:46
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