短冊と落とし文月/ジメゴン故郷に帰れ
海里
「心地よく秘密めいた場所」で
「口に出せない習慣、奇妙な行為」に耽る君たち
ナメクジよ
ふるさとにお帰り
かたつむらないカタツムリ
「去りにし日々、今ひとたびの幻」のスローガラス
「浴槽で発見された手記」にも君の這い跡
何を舐めて
何をくじるにせよ
ご馳走はもういいだろう?
最近はコウガイビルまで
ビルの谷間に見かけるけれど
もしかして君たちの天敵だろう?
海を出て
貝殻さえも捨て去った巻貝姫
雌雄同体であれ
やはり相手というものはあったほうがいいよね
「銀河の壺直し」はもうじきに終わる
「時は準宝石の螺旋のように」きらきらしながら
這い跡を長く長く引きながら
ジメゴン故郷へお帰り
ジメゴン宇宙へお帰り