うみのおわり
umineko
海が
最後の一滴が
空を映した自在の青が
私は
今
消えるのをみた
ささくれた
広い砂漠だ
私は
確かに思う
そうか
私の心は
こんなにも
砂漠だったのだ
それを
満たしていたのは
あなただったのだ、と
私が
悲しいとき
あるいは
うれしいときに
私の中の
豊かな水脈は
あふれ
あらくれて
あなたを濡らしたり
わたしをゆらしたり
海が
最後の一滴が
後ろ手で霧になる
私は
私の砂漠に
それでも葦の葉脈が
静かに立ち上がるのをみる
私は
この砂漠に
ありったけの力を込めて
森を作ろう
私だけの
眠るように
私の森に名前を付ける
かつてここには海があった
私は
それをみらいと呼ぼう