唐草フウ

あなたをずっと待っている



月がたとえば
落ちてもあり余るほど
たくさんの数 あれば
そんなに「キレイ」と
神妙にも
見上げなくなるだろう

ひとつだけ、
というものは
たいせつがたくさん
詰めこまれていて
ことばがもし枯れて枯れて吹かれても
ぬくもりは流れることない
そう
教えてくれた
あなたをずっと待っている



胸のうち すべてを
聞いてはいけない理由は
ねむりにつくときに
泣いていてもあしたが
かならず来ることの証



わたしはずっと待っている
傘をふんわり持って、空から
わたしの坐っているところで着地して
気楽に
久しぶり と言って
また知らないところへ飛び立って
おみやげを 話してくれることを
ひとつだけのあなたを







自由詩 Copyright 唐草フウ 2009-07-14 20:48:11
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