雨と太陽のクオリア
フミタケ

甲高い空の
青を透かして 
下弦の月とすれ違う
夢の満ち潮

風の凪に
追いついていく
クラウディ・クオリア
たなびくかぎろい
こころゆれない 
レイニー・クオリア

果てしなくどこまでも
歩いていけそうな
金魚鉢の中
泳いで
この永遠を
少しの間だけ
もてあそんでいたい

やがて
雨と太陽が
となりあうように
僕らが感じる事は
驚くほど違うのさ

さみしげな
あの娘の目に浮かぶ
メロディが
こだまし
君の肩にしょっている
その空を
少しだけ軽くしていく

果てしなくどこまでも
たどり着けそうな
金魚鉢の中を
泳いで
この永遠に
少しの間だけ 
耳を澄ましていたい

少しの間だけ 
耳を澄ますのさ

雨と太陽がとなりあい 
濡れた街の雫が
光るように
君と僕は今
きっと同じ事
考えているよ

もう7月の
18時 
夜へと向かう
蒼いヴェールが降りてきて
心をそっと
浸していく

それは
雨と太陽のクオリア


自由詩 雨と太陽のクオリア Copyright フミタケ 2009-07-01 23:43:39
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