悲しい不思議
快晴
不具の男が夏の夜に向けて
煙草の煙を吐き出している
誰かと繋がりたいと強く願いながら
それと同時に同じ位強く
誰かと繋がることを拒んでいる
携帯電話の点滅
そしてその振動する音
発光する液晶画面に映された
血の通わない言葉と記号を
末端冷え性の指が無意味に伝う
悲しい自由
悲しい快感
悲しい喜び
悲しい愛情
どんな言葉にでも似合ってしまう
「悲しい」という言葉の
不思議
悲しい 不思議
自由詩
悲しい不思議
Copyright
快晴
2004-09-04 06:57:49