もみじ
小太郎

主役だった太陽にみんなが飽きたころ
テレビや広告ではもみじの情報が盛りだくさん
僕はその先の雪景色に思いを馳せるけれど
あせって冬を求めなくても じきに景色は変わっていく
絶対的なものはただ待っていればいい

紅葉だって実際に観れば いいものだということも知っている

待っているだけで訪れるものと
焦ってでも求めなくてはやってこないもの
後者はとくに人の感情や気分によるものが多い 一時の

微細な計画の上に成り立つ確信と 勢い 
それらによってのみ手に入れられる 環境
現在の気分のよさが記憶の中に入り込んで
過去の隙間を幸せがじんわりと満たしていく感じ
うきうきした気分というのはいつか消えるけれど
うきうきに背中を預ける絶対的な安心感
過去も今の自分も満たされ自然に前を向く

どこかに視点を向けるなら当然先を向く状況
小さい頃に常に感じていたものを最近思い出すことができた
迷いは多いけれど 間違いは多分

自分の思っていたほど重要じゃない


自由詩 もみじ Copyright 小太郎 2004-09-03 17:14:20
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