悲しそうな肉片
かのこ

ほつれる心と身体の端くれを
いつも不器用な指で玉結びするの
やわらかな皮膚にあたる異物感を感じて
ちょっとだけ安心したら眠るんだ

誰かに会いたいって思ったまんまで
はりめぐらされたピアノ線を小さく弾いて
うつむいた視線は足元に落としたばかり
せっかく数えた星もいつの間に手放すの

仕方がないもん、泣いて
手の甲が痛くなって
仔猫になったつもりでいたこと
思い出して笑って

繋いだ神経の先が擦り切れて
滴り落ちる薄いピンク色の雫が
嘘、嘘、嘘、言葉を失うくらいに
絶望を示しているんだね


自由詩 悲しそうな肉片 Copyright かのこ 2009-06-23 08:53:34
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