清冽
月乃助

薫風の影
清冽な馬達の
人待ち顔で休む、横顔
串刺しの、それでも
彩(いろとりどり)の絶佳の肌
白馬に黄馬、緑馬と紅馬
雑踏の人波、截然、いななき
誰も足を止めない
そっか
白馬は馬じゃない
まして、黄馬や緑馬、紅馬なら
なおさら
馬は馬に非ず、かしら
にこにこ
私の子は拙速なまじめなお絵描き
虹色に描かれた
犬のような馬たちを疾駆させ
回転木馬の空を、世故などおかまいなしに
小さなクレヨンで
ピンクに
塗りつぶした


自由詩 清冽 Copyright 月乃助 2009-06-05 02:10:06
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