Burn.
芳賀梨花子
夜明けのダイナーにはウエイトレスひとり
明るくならない大きな窓に消えきれない街灯が映り
昨日の夜の残像みたいに向かい合うカラダの
そぞろなタマシイふたつと
それぞれの眠れない夜を過ごしてきたお客数名
煮詰まったコーヒー
あのさぁ、チーズケーキにうずまったチェリーって
デビット・カヴァーディルみたいだね
と貴方が言うので私は悲しくなった
時間というものは世界を創ってはいない
ストーリーテラーさえ彼方へと逃亡を果たした
終わりという言葉を軽々しく用いないのは
やさしさでもなんでもなく
スケープゴートがその立場を理解することと同じさ
アイアムベリーソーリー
やがて動き始める朝の街には傘が咲き
無口なラブやハッピーが通り過ぎていく