輪廻繰想
花田春菜

酒を飲んだ
煙草をふかした
俺は毎日毎日働いていて
それでもまだまだ半人前で
自分の力不足を呪い
両親の苦労を思った。

若い頃には決してわからなかった
強すぎる酒の味や
くすぶる紫煙の匂いが
染み付いて離れない
こんなはすじゃなかった。

それでも俺は前に進まなくてはならず
恨んでも呪っても何も始まらないことを
痛いほどに知っていた
こんな想いを繰り返し繰り返し
人間は生きて行くのだろう。

そうしてやっぱり両親の苦労を思い
俺は歩き続けることに決めて
一日を終える。

目覚めれば生まれ変われる
そんな酷く滑稽な思い込みを
至極大切に胸に抱いて。



自由詩 輪廻繰想 Copyright 花田春菜 2004-09-01 00:31:44
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