Nothing's gonna change my world.
芳賀梨花子

ガレージに詰め込んだ昨日を
最果てのリサイクルセンターへ搬入する
オーライオーライ停止線ぎりぎりまで
車をバックさせて
昨日は永遠に昨日じゃないことを知るんだ
ハッチバックあけて
途方もなく積み重なった誰かの昨日を見上げて
運んできた私の昨日も放り出す
黙々と分別する日に焼けた係員に敬意を表して
この歌を歌おう
明日になってしまう私を置き去りにして
なんども剥げて塗りなおされた水色のベンチの
少し疲れた感じの休憩所で
紙コップに冷たい水をそそぐ
ジョンは言葉なんて
紙コップに降りそそぐ長雨のようなもんだと
歌っていたけれど
今日は6月なのによい天気で
ガレージに骨の折れた傘を残してきたことを
私は知らなかった


自由詩 Nothing's gonna change my world. Copyright 芳賀梨花子 2009-05-30 22:23:44
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