覚醒の産声
こめ

かんだかい悲鳴で目が覚める

でもそれはちがかった

醒めたのは覚醒の産声

もう後ろには下がることが

できなかった

今まですれ違った人達は

世界の何%だろうか

今の自分は世界の何%だろうか

考えるだけで答えは出さなかった

もし答えをだしてしまったら

そこでなにもかもが壊れてしまいそうな

気がしたから

そんなことを考えて

僕は帰路の道を歩き

電車から見える川の太陽の反射を

手で隠し目を細めていた

日は沈みまた浮き上がる

その繰り返し

まるで自分を写すような

フラッシュバックを

肯定することができなかった

膨らました風船は

空高く上がり

いつしかみえなくなった

その風船は一体どこまで

飛んだのだろうか

そこから見た地球は青かったのだろうか

そして風船はどこまでいき

どこの惑星に辿り着いたのだろうか

もしかしたらもう宇宙人に

出会っているのかもしれない

そのことをわかるのは

無口な風船だけだった



自由詩 覚醒の産声 Copyright こめ 2009-05-29 22:10:10
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