Dutchman's pipe cactus.
芳賀梨花子

鋼管通りで見上げた空は
なんとなく青くて
煙突を何本も飲み込んでいた
あんた女みたいだね
それに引き換え
あたしは日に焼けた肌と
にじんだ人生と
メンソールじゃない煙草
拾っていきやがれ
やがてくる夜に
泡立つ息に耳をそばだてたなら
あたしが女王様になったげる
握りつぶしたアルミ缶や
歪んだ卵のように
廃工場に木霊する女王の号令を
聞きたいのならば
野郎ども汗して奉仕したまえ
太陽のもとに咲けない花を育みたまえ


自由詩 Dutchman's pipe cactus. Copyright 芳賀梨花子 2009-05-25 22:15:00
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