Rainy Monday 9:30am
芳賀梨花子

シナモンを入れすぎたカプチーノに顔をしかめ
煙草に火をつける
高層ビルディングの足元には
ほんとうに底みたいなデッキがあって
こんな午前中を過ごすにはちょうどよい
眺めているものとわたしの間には
ただ雨が降りしきり
わたしは雨だれを数えるように
通り過ぎていったものを数えていく
見上げるとカーテンが中途半端に開いた
ホテルの窓が無数に続き
そこには昨日までの夜があって
今ここにはないから
組んでいた足を解き
9センチ地上から高まった踵を支えに
わたしは歩き出す
新しい夜を迎えに行くために
このままずっと
数え切れないものを
数えながら


自由詩 Rainy Monday 9:30am Copyright 芳賀梨花子 2009-05-24 21:15:05
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