taznu

恒温動物である僕たち人間は正常に生きてる限り36℃前後の体温を維持し、起きていても眠っていても温かい。
一体僕らの何が熱を発しているのだろう。
流れている血か?
肉か?臓器なのか?
目に見えぬ何かか?細胞か?
死ねば冷たいのだ。
僕らはいつか必ず冷たくなるのだ。
僕は確かに命を持っている。
だのにその所在がわからない。
けれども、死ねば体温が失われることは知っている。
僕の命はこの心臓が握っているのか?
それとも脳か?
もしも臓器だけが繋がったものがベッドの上で生暖かく脈打っていたら、それは「生き物」と認められるのだろうか。
「命」や「生と死」はあるのだろうか?
僕の脳が使い物にならなくなったとき、心臓が動いていて体温があっても死んだことにされるかもしれない。
僕の心臓がもう使い物にならないと決まったとき、取り出して代わりに機械を付けて心臓の無いまま生かされるかもしれない。
ずっと考えている。
僕には命の在りかがわからない。
けれども僕は今日も温かい。


自由詩Copyright taznu 2009-05-20 21:46:31
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