No Man's Land Burning
maynard

せっせせっせと薪をくべる
これは仕事だ
命の炎を絶やさないように
心も体も凍えてしまわないように

薪は限られている
薪が無くなれば心は凍えて
そして体も冷たくなる

頭の良い人は
薪から炭を作り
炭を薪と交換した
新たに手にした薪から
また炭を作った

そして何も出来なかった人は
薪と温もり以上の何かを失った
冷たい雨の日も
強い風の日も
じっと耐え忍んで
来る日も来る日も斧を振りかざしている

そして木を切り倒そうとした人は
いつか気づく
木を切り倒すよりも
人を切り倒す方が簡単だと

冷たい人は
人の薪を奪うようになった
そして手にしたあり余る薪でログハウスを建てて燃やした
でもその炎でも冷たい人は温まらなかった
むしろもう何も感じていない
温もりが何なのかさえも覚えていない

冷たい人の後には大量の灰が残されて
その灰は風に舞って
人に降り注いだ

雪のように
死の灰のように

冷たい人が通るよ
斧を担いで大手を振って
冷たい人が来るよ
不幸という灰を撒き散らしながら


自由詩 No Man's Land Burning Copyright maynard 2009-05-19 07:25:23
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