『案山子と槍雨』
Leaf

雨音が融和した

水滴が調和した

なんとなく隷属した

迎合は心地良い、と

終には繋がる事に陶酔した

霧も靄も集い雨粒になればいい、と


固まることで優位ぶるおまいらは互いに誉め合った


急にやって来た

鉄をも裁つ勢で綿雲を飛ばした

代わりにやって来たおまいらは案山子の肩を叩いた


怯えた嫌いもなく毅然と
惜し気もなく傲然と


優しく撫でるより
斬るように穿つ、と念じた



不穏だと嘆いても鋲は降り、槍は刺す、を悟り


まるでウィンザー城の陥落を待つ騎士団の忠誠のような愚考に辟易した感情そのままに


抗うは案山子の如し孤高の不動心と

時に己れの正義すら躊躇う節穴千里眼で

我が身晒す



それにしても
我が身挺してまで
なにを守るのだろう






BGM:Sting/Shape Of My Heart


自由詩 『案山子と槍雨』 Copyright Leaf 2009-05-18 02:45:03
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