風ノ人 
服部 剛

私が幸福を 
忘れてしまうのは 
きっと「私」を
握り締めてしまうから 

もしも「私」を手放せば 
空っぽの透けた体に 
(風ノ人)が入って来る 

そして両手を組み合わせ 
私に観えない幸福を 
一心に、願い始める  

人の心の 
最も深い部屋にいる 
(風ノ人)の切なる祈りに 
耳を澄ます時 
私自らが、充たされてゆく 





自由詩 風ノ人  Copyright 服部 剛 2009-05-14 21:10:03
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