罠に掛かればいい
ひとなつ

君の横顔

髪のすきまから見える目蓋

決して私を見ようともしないその瞳の輝きを

ひときわ奪うシャドウが瞬く

それは

森の中の樹木に休む一羽の小鳥のようだ

ついばむ木の実は何の実か

君の囀る声も知らぬが

気まぐれな木漏れ日の気の向くままに

君はいずれ何処かへ行ってしまうだろう

それなら私は
君を素直に見届けよう

君が遠くへ行こうと私はかまわない

君の声が薄れゆくままに

私は悲しむだけなのだ
だから
君は罠に掛かればいい

そのときは私が助けてあげましょう



自由詩 罠に掛かればいい Copyright ひとなつ 2009-05-14 19:11:21
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