そら色の部屋で。
終
小さい箱庭みたいに
必要な物は、全てそろったそら色の部屋で
DVD見てるのに、風が吹くたびに揺れる
ソライロのカーテンが気になって仕方なくて
そのたびに瞬きをトメなくちゃならない
DVDが再生する言葉が意味もわからなく揺れている
どうやら、濁音だけが抜け落ちてしまうらしい
部屋のアチコチに時々キラリと
゜゛゛
゜゛゛
゜゛ ゛゛゜ ゜゜゜
゛゛
゜
そのたんびに息を呑むしかない
部屋にクラヤミが忍び込んできて
やっと、一息入れる。
甘い緑茶の香がタユタウ
熱が足りないサカナが跳ねる
サカナの鼻先をユビサキでツッツク
生ぬるい雲が茹ですぎたパスタみたいにノッタリとくつろいでいる
カーテンの後ろを雨が流れている
手を延ばして雨をつかもうとしても届かない
まま
反り返って
ふとんの中に落っこちる
スコシだけ、窮屈なつかの間のしあわせ。
そら色の幸せ。