御手
琥霙ふうり

 
星と星の狭間を
人差し指で、なぞり
名前を生み出して
 
明日の何処かで
煌めく胎児達は
新しい呼吸法を習い
 
希望に満ちた
我が儘な産声を上げ
人差し指、から伝わる
愛を噛み締めるのかな
 
 
僕は今日、何処かで
死に絶えてしまい
 
僕は明日、此処で
生まれた事を思い出し
 
いつかの引き出しを開けたら
カタチのある何かに
涙を、こぼすだろう
 
 
手のひら、に 残る
シワを見て
 
僕はどんな生き方を
君はどんな生き方を、
してきたのか
 
指と指の狭間を
人差し指でなぞり
すこし、だけ
くすぐったいような
 
そんな、
 笑みを溢して
 


自由詩 御手 Copyright 琥霙ふうり 2009-05-03 02:32:55
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