夜明け
乱太郎

夜明け
窓から冷たい空気を
迎え入れたとき
君に恋していたことに気づく

吐く息が白く
一瞬雲になり消えていく
君のいない空の向こうに

なぜ
夏でなくて
この冬の季節に

しろい白鳥がやってくる
凍りついた湖面で
やさしさ
つよさ
翼を広げて
恋を羽ばたいて

なぜ
大陸から
この冬の季節に

空はいつもの顔で
僕と白鳥を覗いていた


そういえば
蒼い地平線の向こうから
まもなく流氷がやってくる


自由詩 夜明け Copyright 乱太郎 2009-05-02 21:09:00
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