時化の予兆
凪目
空は曇り
風は冷たい
砂はしめり
海は鳴る
深い、深い深い深い
闇のような
死人じみた暗雲が
ひろがる
ひろがる
ひろがっていく
返事は、床を伝わって届く
コンクリを踏む靴は
砂に濡れ
暗い色をたたえている
貝や、雨の匂いが
そこらじゅうに沈んでいた
自由詩
時化の予兆
Copyright
凪目
2009-04-29 02:00:12