目蓋沸騰寸前夜
或る女の子


まぶたを閉じると幾重ものプレパラアトが幾重もの君を幾重にもして
毎晩夢の中へ押し込んでくる
光など もう射してはくれない道を歩く 
凝視したってみつからなかった
君はとても軽薄で精子しか私に入れなかったのに
私は目で幾枚もの君を採り
凝視/しては見つけ出そうとしても見つからなかったのはそれは
真実として一番上のプレパラアトに採られた / 収穫アリ
そしてこの残像の行方は
こぼしてしまいましょう
そして拾った猫がいつか君に出会うとき
君は誰でも抱くから
プレパラアト
他の女を抱く君を夢で見れる
そしてようやく憎めるのです
ようやく自己愛だった愛情を消せるのです
抱いているよ/とっくに/もう
(君へとは違う感情で!恋したんだぼく可愛い女の子)
知らない振りをしているから駅から離れられないのです
去ってゆく/電車/わたし/電車→家
家が嫌になりつつあります
早いこと物件を決めて犬を飼おうと思います
わたしを外へ出してくれる犬
そうだね
面倒だったら捨てちゃおうね
保健所へわたしを今すぐ君の手で連れてゆけ
ベルトコンベアーに乗って天国まで行く
アンチョビ缶/鯖缶/I my me mine/昨日まで隣で飼われていたネコ
もうちょっとだ
焼け死ぬのは
硫酸で癒せる傷もある
だからまだ死なないで/リストカットだらけのyou
飛び越えて
だから今日も道を歩く
太陽など気楽に蹴り上げたわたしがいるから皆、生きておられるのだよ/ who?
生きる/生きない
選択など常人なので持てるゆとりなどなく
差し迫る明日 やはりあの道がある街をひとりで闊歩したいのは/ I my me mine
Zennbugadoudemoii tadayariharaukotoniyori 沸騰した涙が目蓋を蹴り上げた明け方



自由詩 目蓋沸騰寸前夜 Copyright 或る女の子 2009-04-26 21:49:10
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