東京カラス
東京カラス

不眠症のカラスは
その静寂に耐えきれず
今日も密かに音を生み出す


カァ カァ カァ


ひとつの部屋に明かりが灯り
自分はひとりじゃないと
満足げに、羽を広げた


餌の時間まであと少し
人の温もりを求めて
暗闇に消えた彼の、その後


気にする人は 誰も居ない


今夜もどこかで
さびしんぼカラスが、泣いている



自由詩 東京カラス Copyright 東京カラス 2009-04-26 18:34:38
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