Always It's new〜
あすくれかおす


葉っぱは季節をたとえません
すうふうと風にもつれません
声がでない
見たこともない町並みや
笑ってばかりの声色に
ない交ぜにされて


先に歩いてていいですよ
追いつくつもりもあんまりないし
夜はぼうぼうとふえつづけ
ちょっと詮方がない場所で
分身してひとり
佇んでいるのに
ずっとひとりで
ここで
舌を出しているのに
じぶん以外のだれも
そいつをひっこぬくことができない


三叉路は
なんにも串刺し
しないから
今歩くことはきっと
答えにならない
迷うことはたぶん
問いかけにならない
ロータリーのほうが
むしろいつも残酷
薄荷キャンディを落としながら
ぐるぐる
ぐるぐる
するうちに
清潔で甘ったるい
白い野原ができた


ちょっと肌寒い日の夜は
だれかが微熱でなくてはなりません
にぎやかしい店の前では
なにか空白を見せねばなりません
それよりさっきからぼくは
笑顔のままでかたまっている
電動歯ブラシが力つきて
なにするひとつも削ぎ落とせない


(声をだせ
喉に張った半透膜をつきやぶって
風上をくれ
青コーナーをくれ
ワンパイントでビールをくれ
そいつがカレンダーなら
何日分でもめくれ
いまのうちなんだよ
温帯の夜は生ぬるく
あともう少しで光りそうなのに
ソケットがない
スイッチがない
肝心のフィラメントがむすばれない
それともなんだ
直流でやるのか
びりびり
なんてまがいものじゃない
死にものぐるいだ)



小鳥が薪を集めてくれます
子どもが嘘をおしえてくれます
小魚は骨を強くします
子猫がにゃーといいます
小麦の五月に秋がきます
子鹿が名前をほしがります
時間がたったら
大きな大きな象がきて
優しくすべてを踏んでくれます





自由詩 Always It's new〜 Copyright あすくれかおす 2009-04-23 01:24:44
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