祈ることで許されると思っていた
あ。
突き抜けた青天から目をそらし
振り返ってしまうことがためらわれ
気付かなかったことにした
水滴ひとつ浮かばない箱を抱えて
所在を見つけようともしなかった
抜けた羽毛を一枚入れて
ふたをしてリボンをかける
宇宙の隅に投げ込んでしまえば
それで全ては終わるはず
夕焼けにだって裏側はあって
知ることに意味はないのに
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祈ることで許されると思っていた
傷ついたふりをすれば撫でてくれると信じていた
やわらかい部分できゅっと押せば
跳ね返ってくるって思いたかった
んだ
いっそ溶けてしまえたら
あたためることが出来るのに
糸のように冷たい雨が
ゆびさきから温度を奪う