ポーカーフェイス

僕は左足で右足を蹴っていました
何も感じません
もっと強く蹴ってみました
何も感じません
もっともっと
それこそリバウドばりに蹴ってみました
ちっとも感じません

いいんだ

僕は痛みをかんじない
完全無欠の英雄だ
少しも躊躇せず進めるんだ
たとえ足が多角形に折れ曲がっても
気にせず進む



目をつむって暫く
車を運転してみました
なんともありません
ええもうやめますが
一度試してみたかったんです
目を開いていても閉じていても
とどのつまりは
同じじゃないかと

いいんだ
いいんだ

全ては何かしら決められていて
それに背かなければ
何事もないのかもしれません
僕の車は僕を運びます
横断歩道でとまって
小学生を渡らせました





「嘘だ嘘だ嘘だ
 吐きそうなほど
 痛いよ恐いよ泣きそうだよ」



僕は丸抱えで生きていきます
痛みも恐怖も退屈も絶望も
そんな顔は
死んでもあらわしません
あらわしたくないでしょう
小学生よいきなさい
できれば寄り道などせずに







自由詩 ポーカーフェイス Copyright  2004-08-27 10:16:08
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