流線型のうた
あ。

花に嫌われても
空に嫌われても
ひとつ、こころに光を与え

雲に見放されても
虹に見放されても
ひたすらに、愛を捧げたい

瓶底眼鏡をかけなおしたら
世界はぐにゃりと曲がって見えた
忘れ物は何だったかと
首をひねって思い出そうとする

誰かの親切をはねのけ
ずれた眼鏡を何度も直す
思い出せないのか思い出さないのか
そんなことすらわからなくなって

ひとりで生きていけない、なんて
そんなこと、わかっているのにね

すべてのものは流線型で
砂に残る足跡も
泳いだ後の水しぶきも
みんなまとめて忘れかけた夢
ひとりでは作ることの出来ない夢

拒まれたから拒む、なんて
そんなこと、意味はないのにね

きみに嫌われても
きみに見放されても

ひとつ、こころに光を与え
ひたすらに、愛を捧げたい


自由詩 流線型のうた Copyright あ。 2009-04-13 18:28:17
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