Planetica(惑星儀)
カワグチタケシ

プラネティカ 秋にむかう空 黄昏のプロムナード
プラネティカ 惑星の軌道を読む いつか帰る場所を探す

何かの終わりと引き換えに君が手にしたものは
夕暮れの空を流れる雲の記憶と雨の境界線
光の粒子 ソーダ水
ビーチグラス

惑星は今 雨期を迎えようとしている

それは具体的な痛みをともなってやって来るだろう
できるだけ細かく砕いて表面積を確保しなくては
それは徐々に大気を蝕むだろう
できるだけ細かく砕いて表面積を確保しなくては

プラネティカ 夏にむかう空 夕暮のアーケード
プラネティカ 惑星の軌道を読む いつか帰る場所を探す

いつだってぼんやりしていて忘れっぽい僕らは
だからすぐに忘れてしまう
かつて恐れていたことや
漠然と期待していたことや
なにやかや

だけど僕らはじきに思い出す
だからすぐに忘れてしまう

惑星は今 雨期を迎えようとしている

たとえゴールをしくじったとしてもオーケー
裸足で砂を踏むその感触を忘れずに
そして僕らは虹を見るだろう
ビーチにかかる虹を見るだろう

水脈を辿れ
旅に出る君に祝福を
旅立つなら今
もうすぐ時化が来る

さよなら プラネティカ
惑星は今 雨期を迎えようとしている
 


自由詩 Planetica(惑星儀) Copyright カワグチタケシ 2009-04-11 22:50:03
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