ですなひと
恋月 ぴの

爪を立てないようお気に入りのレギンスを下ろしながら
一瞬の冷たさに身震いなんかして

いまどき珍しいよね
ウォシュレット付いていないなんてさ

ちろちろと可愛い音させるのも粋よねとは思いつつも
世間体を気にしてみせるのが女らしさだからと音消しの水を流す

不順なのを気にして下履きに忍ばせたナプキン
幸いってことなのか汚れていなかった

なんだかめんどっちい

栄養失調気味な子象の鼻のようで
それでいてつるんとした先っちょから虹でも描くようにして
幼馴染は私の目の前でおしっこをしてみせた

フラフープするみたいに腰を振ると
陽射しに焼けた河原の石ころへ虹は弾けてサンダルに跳ねた

いつも横っちょから出すだけだもんね

同窓会の懐かしさに再会してみたら
酔った勢いで昂ぶったものをフンドシの脇から覗かせ
私に握らせようとした
息を荒げ私の唇を強く吸うと器用に動く舌先で私の歯茎を弄んだ

あれって何年前の夏祭りだっけ
風の便りに私の親友と結婚したって聞いたような聞かなかったような

女ってさこんな妄想に浸りながら変なとこ触ったりするのかな

超めんどっちくなった

とてもじゃないけど人様には見せられない格好でレギンスを引き上げ
これまた人様には見せられない格好でレバーを蹴り下げると

しゅぱぱぁあ

総てを飲み込もうと無愛想な渦を巻く流れに何かが弾け飛び
幸せ薄いと儚みつつも案外タフな私だから虹の向う側へなんか行かない





自由詩 ですなひと Copyright 恋月 ぴの 2009-04-07 22:30:19
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