一里塚
遊羽

一里塚 風の中
城への路も野に埋もれ
春も過ぎ 秋も過ぎ
季節も朧な筺の中

宵闇の紐ほどけ
人は流れて散り散りに
窓の下引きずられ
寒さの庭に花もなく

枝のない木を眺め
蝉はいずこと狼狽えて
車塚 下馬の辻
世情の渦が曲がりゆく

邪な追従に
正義の人は待ちぼうけ
星のない空の下
茜に燃えて一里塚


自由詩 一里塚 Copyright 遊羽 2009-04-06 00:19:08
notebook Home 戻る  過去 未来