別れの距離
小川 葉
僕らは出会った
地上から空を見上げる
距離でしかなかった
そんな僕らが
とても遠いところから
生まれてきたような
そんな僕らが
買ったばかりのノート
一ページ分にも満たない
会話しかなかったのに
僕らは
永遠ではないというのに
たくさんのノートは
永遠に塗りつぶされていくと
信じていた
僕らの言葉で
明日になれば
僕らの知らない
地上から
空を見上げている
死に別れた
わけでもないというのに
出会う前と同じ距離を
知ってしまった
そのことが
何よりもかなしい
自由詩
別れの距離
Copyright
小川 葉
2009-04-05 03:24:47
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