夢の途
三之森寛容

私は未だ
まどろみの中
目覚まし時計が
鳴っている
わかってはいるけど…


地上に舞い降りた
織姫と夏彦
感動の再会も早々に
夏彦は両手いっぱいの
高級ブランドの紙袋を持って
織姫の三歩後ろを
歩いてる


天国で結ばれた
ロミオとジュリエット
甘い生活も早々に
天国にいるのを忘れ
我先に我先に
毒薬を探し回る二人


めでたく結婚した
シンデレラと王子様
一目惚れも早々に
裕福なシンデレラは、もう
ガラスの靴を履けず
王子様は侍女に
手を出してる


私は未だ
まどろみの中
目覚まし時計が
鳴っている
わかってはいるけど…


うるさい目覚まし時計を
叩き壊す
けれどまだ
アラームは鳴り響く…


私は未だ
まどろみの中…


自由詩 夢の途 Copyright 三之森寛容 2009-04-05 02:03:01
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