ポアレは腕で振れ
吉岡孝次

薄ぼけた郷里における仰臥にあって
ロックンロールの焦燥を体躯に引き受けていた少年 は
押し花のように

忘れられた、ってわけでもないのだが
ファミレスでの勉励は
もう転がり込む先をなくした出戻りをコックへと
ひろげてゆき

どの客も舌先で錆の色合いを嗅ぎ分けては悦に入る新世紀初頭
僕だけがウキウキと誰も知らない生き方の柄をつかんでいる



自由詩 ポアレは腕で振れ Copyright 吉岡孝次 2009-04-01 20:51:24
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