せなか
山中 烏流






振り返らない背を
見つめ続けるわたしが

さみしい



***



足首までのコートから
あなた/の、ような
香りがして
眩む

抱いて眠る
、と笑いあった冗談は
本当のことを言うと
冗談なんかではない


でも
あなたにとって
わたしの発言は、冗談に
なってしまった
から

今日のところは
ハンガーに掛けておく

ことに、する



***



あなたの背中って

こんなに
大きかったかしら


腕を回しきれないのが
何故か、もどかしい



***



困らせるために
わざと
帰ろうとしたり

意味のない嘘を
吐いたりすることは
やめる
やめる、から


どうか
背中を見せたりは

しないで



***



あなたを呼ぶ声が
部屋にこだまして



さみしい。







自由詩 せなか Copyright 山中 烏流 2009-03-27 23:45:52
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