バースデー
瀬崎 虎彦

君が知らないうちに
きれいになったと
思ったのは秋の日で

僕らはほかの誰かの
バースデーに引きずられただけ

遠い世界の争いのように
僕らは憂鬱を抱いていた

話は知らないうちに変わって
君はピアノの部屋にやってきて
嘆くことをせずに
さよならを言おうと思っていたんだろう

僕は衛星のように
近く遠く君を見ていよう
二人が愚かな誤解で
素直になれないなら
君のバースデーに
僕は何も出来なくて
また一年先まで時を失った


自由詩 バースデー Copyright 瀬崎 虎彦 2009-03-25 09:50:22
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