こころ 単独 音感 キス
ヨルノテガム









  空を食べた

  仲睦まじいかえるとかえるが飛び跳ねてハイタッチした

  オギャ―と雨は生まれ

  君に「雨がえるクン」という名をプレゼントする

  そして君も「雨がえるさん」を僕にくれる

  水かきのある手で叩き合うと

  音楽が聞こえる


  無人車の渋滞、無人街のスーパーマーケットは無人で溢れる
  物が盗まれ、金はこころの中で支払われていく
  服は脱ぎ替えられ、着直されていく
  食事の湯気を味わい
  壊れた機械装置はツバをつけて直されて戻る
  無人のセックスは無人の死亡事故の影で、
  無人の花たちが花瓶に生けられ天上は華やぐ


  かえるの合唱

  君と僕は普通の歌しか歌えなかった

  長い舌が空を食べた

  まねして

  長い舌が空を食べる

  君は星を占いに星へ出かけた

  僕は無人車に轢かれて 平目になった

  雨に救われ 川へ流れ 海へ着いて 身体が泳ぎ始めた

  ハイタッチした腕はえんがわらへんを叱咤してよく動いた



  海の底で雨滴の音はよく聞こえた

















自由詩 こころ 単独 音感 キス Copyright ヨルノテガム 2009-03-23 03:58:43
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