しゃわしゃわと濡れそぼってくアスファルトに嫉妬していたビー玉の夏
街じゅうに言い訳にじむ赤信号は迷子の大人達にやさしい
新型なら上書きができるんだろう 消しゴムかけて毛羽立ちに、泣く
胸で食むうさぎを鍋で煮る 白くさみしんでゆく背中のカーヴ
撥ねたのは過失なんです、《Uターンしてから二度目はゆっくり轢いた、》
あおぞらに拡散してくポプラの綿毛ぽつり見上げる恋の格差よ
解くことが答えではない ポケットの中でちりりと燃える知恵の輪
「圏外」になったこころで抱き合ったアストロノート 《コスモスよ、咲け、
草食の君に差しだされ熟れたトマトに歯をたてる貧血の朝に
※『題詠blog2009』参加作
011:嫉妬
012:達
013:カタカナ
014:煮
015:型
016:Uターン
017:解
018:格差
019:ノート
020:貧