ぼくのおはなちゃん
アヅサ



あお空のちいさな骨の
こすれる音がする
女の子のむらさき色の
お花の匂いのする髪の毛のさき
ちいさなしあわせが
ふりつもるようだね
ほそい指を
土曜日の陽の光にからませて
ふてきに笑った


女の子にこわいものなど
ひとつもなかった
外国の洒落たお菓子に埋もれて
窒息しそうになっても
愛する男の子の名前を呼んで
すぐに飛ぶことができた


女の子にとって
男の子が世界のすべてだった
空から降ってくるちいさな骨を
あつめてあつめて
海に浮かべて遊んでいた
男の子がいなくなった世界は
ビスケットを砕くように
端から壊していくと決めていた
すべてを知った顔をして
涙はうすい花びらにかえて




自由詩 ぼくのおはなちゃん Copyright アヅサ 2009-03-21 13:25:14
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