この子

12月はやさしくあたためて、街は“忙しさ”に満足を感じていたのでわたしは走りながらサンダルをひとつおとしてきました。満足はできなかったけど髪の毛も手も足も全部乱暴にふりまわして、できるだけはやく走ったらなんとか右の脳みそからokがでたので、おうちに帰りました。

誰かの奥さんになることがわたしの夢にはなり得ないことを先週の土曜日にうっかり自覚して、子供を産んでも寂しさや恐怖から逃れるはずもなく(事後認識でなかったことがせめてものご慈悲ですか)

しかしまた結局私が性別“F”であるという事実はいつまでも消えないでいて、
促す行為に専念させてくれないのです。


自由詩Copyright この子 2009-02-25 20:14:56
notebook Home 戻る  過去 未来